解説

改正動物愛護管理法施行により、届出済みの動物取扱事業者でも5月末迄の登録申請が必要

動物の愛護及び管理に関する法律、「動物愛護管理法」は、平成18年6月1日に再改正が施行されました。

その改正のポイントは、

@ 届出制から登録制へ
A 動物取扱業の範囲の見直し
B 登録氏名・登録番号など業者標識・識別章の明示の義務化
C 動物取扱責任者の選任の義務付け
D 動物の安全と健康の確保と生活環境に迷惑な事態の防止
E 固体識別措置及び特定動物の使用など規制の全国一律化
F 実験動物の福祉向上
G 動物由来感染症の予防
H 罰則の強化

となっています。施行後1年が経過しようとしているのですが、改正の実効はどうなっているのでしょうか?

1年間の経過措置として、届出済みであっても、登録への切り替えを呼びかける内容となっており、その期限が平成19年5月31日です。おおよその業者がすでに、登録済みとなっていればよいのですが、期限1ヶ月前で現在登録実態は不明です。これまで周知活動があまり行われてこなかったことから、登録への切り替え不足がたいへん危惧されています。うっかり登録忘れの扱いや無登録業者の摘発などの問題が残されており、実効が伴わないと法自身の存在や監視できない監督行政のあり方に問題を呼びそうです。

又、動物取扱業の範囲は、動物の販売(その取次ぎ又は代理を含む)、管理、貸し出し、訓練、展示などを行なう業を指すとされていますが、店舗を持たない業、個人業やインターネットを媒介とした業、更には、動物本体を扱う・触るトリマー、シッター、アロマテラピーなどの新種のサービス業など当てはまるか定義が相変わらず曖昧です。行政当局により、更なる該当範囲の明確な定義化が放置されたままです。

事業者ごとに1名以上の常勤かつ専属の動物取扱責任者を選任しなければなりません。多店舗の場合でも、1名のままでよいのかあいまいです。又、動物を扱う専門知識・技術の学校で1年以上就学し、その上で資格試験に合格し、動物取扱業として半年以上の実務経験があることが、動物取扱責任者の資格要件となっていますが、資格要件を充足する学校と資格の定義が明示されていません。学校や資格によっては、経歴を出した時、はねられるかどうかは個別対応となっています。又、責任者研修を年1回以上受講が義務付けられていますが、責任者研修が、県レベルが市町村レベルかはっきりしていません。行政単位で、不統一性があると言われています。

生体取引でのトラブルは、専門知識のない引き取り手が見抜けない幼齢販売にあると言われており、トラブルがあとを絶ちません。又、生活環境に支障をきたす状態の放置は、業者以外にも、住居問題で発生しており、これが法律でカバーされていません。

固体識別措置の推進は、人間に危害を加えるおそれのある危険動物である特定動物以外普通のペットでは現在のところあくまでガイドライン、目標であり、義務化ではないので、マイクロチップの普及は思いの他進んでいません。

今度の5月末以降、この改正の実効の結果検証とそれがいつ発表されるかが、業界では注目を呼んでいます。結果、実効が伴わなかった場合、今度は曖昧性を排除した実効性のある方法論の導入の議論が活発化することになると予想されるからです。