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【JPRコラム】台湾での狂犬病発生を受けて

更新:2013/08/01

7/25に台湾が狂犬病清浄国から除外されました。
http://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/rabies-free.html
農林水産省HPより

52年ぶりに野生動物のイタチアナグマにて感染が発見されたことが原因です。
これを機に、感染リスクのある動物・ペットの検査・予防・(場合によっては淘汰)が行われると考えられます。

今更ではありますし、ペット産業の皆様は既にご存知の方も多いとは思いますが、狂犬病について再度確認してみましょう。

狂犬病は犬に噛まれると感染してしまう恐ろしい病気です。でもそれ以上は詳しく知らない方も多いと思います。
”犬に噛まれたら狂犬病になるの?” “うちの子が狂犬病の予防注射を打っていない犬に噛まれちゃった!狂犬病が移るのかしら?”と怖がる方がいる一方、
”うちは室内飼いだから狂犬病になんかならないわ” ”人のことを噛まないから大丈夫”と言って狂犬病のワクチンを打たない方もいるようです。
 今回改めて狂犬病とその予防注射についての正しい知識を学びなおしてみましょう。


★狂犬病とは★

狂犬病は狂犬病ウイルスという病原体が原因となっておこる病気です。犬という字がついていますが、犬だけでなく人や猫、キツネや牛などすべての哺乳類に感染します。感染してから症状を出すまでには2週間から数ヶ月かかることもありますが、この間にも感染した動物の唾液の中には病原体が排出され、他の動物を噛んだり、傷口や口元を舐めたりする事で広まっていきます。体内に入ったウイルスはその後神経を伝って脊髄・脳に達し、麻痺や興奮、けいれんなどの症状をおこします。治療法はなく、発症してしまったら死亡率はほぼ100%と言われています。

★日本と世界における狂犬病★

日本では昭和25年に狂犬病予防法を定め、ワクチンの徹底と野犬の捕獲を行なったため、昭和31年以降は日本内での狂犬病の発症報告はありません。

しかし、世界中で見た場合、日本のように狂犬病を撲滅する事の出来た国はごく少数です。日本・オーストラリア・ニュージーランド・イギリス・アイルランド・アイスランド・ノルウェー・スウェーデンなどだけが厚生労働大臣が指定する狂犬病清浄地域で、あとはまだまだ狂犬病の脅威が見られるのです。世界中では今でも年間3万人以上の死亡患者が出ているといわれています。

つまり現代のように誰でも簡単に海外旅行が出来、または海外からどんどんペットが輸入されている状況は、いつまた日本に狂犬病が再び入ってきてもおかしくないのです。
そこで、国内ではすでに見られなくなった狂犬病でも、犬は毎年予防接種を打つことを義務化し、いざというときに備えているのです。
うちの子は人を噛んだりしないから狂犬病予防接種を受けなくてもいいわといった理屈が間違いである事がこれでわかりましたか?

★狂犬病の予防接種★

狂犬病予防法では、生後91日以上の犬を飼うときには30日以内に地元の役場に登録を行い、狂犬病予防接種を受けなければいけないことを義務づけました。狂犬病が広まらないようにするためと、全国に飼われている犬の頭数を把握するためです。法律による義務なので、もし飼い主がこれを怠ると罰金刑(20万円以下)が科せられます。

予防接種はだいたい4月〜6月の春に行なわれ、地域によって、近くの公園などで集合注射を行なう所と、動物病院で打ってもらう場合がありますが、どちらの場合でも初めて打ったときには鑑札と注射済票を、2年目以降は注射済票を交付してもらいます。鑑札には接種年月日と市町村名、番号が記入されており、その番号を見ればどこの何と言うワンちゃんかわかるようになっています。鑑札は犬にとっての住民基本台帳カードなのです。1度しか交付されないため、番号は愛犬手帳にひかえておき、落としたりしないようにしっかりと首輪につけるようにしましょう。

★狂犬病のワクチン★

狂犬病のワクチンは一般に不活化ワクチンと呼ばれる種類のものです。不活化ワクチンとは、病原体のウイルスを殺して、免疫を作るのに必要な物質だけを取り出して作られたものをいいます。体内に入れてもウイルスは増殖しないため、発病する心配もありません。しかし、その反面免疫の持続期間が短いため、一年に一回の追加接種することが必要になります。

★狂犬病以外のワクチン★

うちの子はついこの間ワクチンを打ってもらったから、狂犬病はもう打たなくても大丈夫という方、ワクチンにもいろいろな種類があることをご存知ですか?狂犬病ワクチンのほかに、ワンちゃんに打つワクチンには混合ワクチンというものがあります。混合ワクチンとは、ジステンパーやパルボウイルス感染症など現在存在して、発病すると生命に危険がある病気に対するワクチンで、この中に狂犬病は含まれていません。混合ワクチンでどんな病気に対する免疫をつけたのかは、ワクチンの証明書を見て確認しましょう。

ちなみに他のワクチンを打ってしまうと、しばらくの間は狂犬病のワクチンを打つことが出来ません。最近ワクチンを打ったという方は狂犬病予防接種を打ってもらう前に、必ず獣医さんにその旨を申し出るようにしましょう。

★狂犬病予防接種の受け方★

狂犬病予防接種を受ける時にはまず、ワクチンを受けても大丈夫な体かどうかを確認しましょう。人でも風邪を引いていたり、熱があるときにはワクチンを打つことが出来ませんよね。それと同じで集合注射のお知らせがきても、その日の体調が悪かったり、普段と様子が違うようなら接種は止めておきましょう。具体的には、いつもよりも元気がない、お腹を壊している、旅行から帰ってきたばかりでとても疲れている、発情中である、病気の治療中である、などです。集合注射ができなくても、多くの動物病院ではいつでも狂犬病のワクチンを打つことができるので、慌てる事はありません。

★集合注射に向かない子★

おうちの子がとても臆病だったり、喧嘩っ早い場合は無理をして集合注射に行くべきではありません。集合注射は多くの犬が集まり、注射という嫌な事をされているのですから、一種独特な雰囲気になっています。普段大人しい子ですらおうちのひとの言う事が聞けなくなってしまうことがあり、犬同士のトラブル、犬から人へのトラブルがおこりやすくなっています。また、精神的なストレスや興奮から、それだけで病気になってしまう子もいます。怖がりで注射を見ると暴れるような子や他のワンちゃんに喧嘩を売るような子は無理に決められた日に集合注射に行く事はありません。近所の動物病院に相談して、別の日に静かな環境で打ってもらうようにしましょう。

★狂犬病予防接種の免除★

狂犬病予防接種は法律によって義務付けられていますが、例外として接種が免除される場合があります。

たとえば、以前に狂犬病の予防接種を打ったときに副作用が出てしまった場合、てんかんなどの神経症状の病気を持病として持っている場合、老齢や病気のため予防接種することが逆に生命の危険を伴う場合、妊娠中の場合、などです。これらの時には動物病院で狂犬病予防注射猶予証明書を書いてもらい、役所に申請書を提出すると、申請年度は狂犬病予防接種が免除になります。

★予防接種を受けた日は★
特に集合注射に行った子は神経が高ぶっています。予防接種を受けた後はなるべく静かにすごせるように心がけてあげましょう。当日のお散歩は控えめにして、トリミングや来客、旅行などのストレスがかかることは数日空けてからにしましょう。

★副作用について★

狂犬病ワクチンの副作用は一般的に少ないといわれています。しかし、半日は注意深く観察して、もし普段と変わったことがあればすぐに動物病院に連絡するようにしましょう。よく見られる副作用としては、発熱、元気食欲の減少、接種部の腫れや痛みなどです。

★登録の変更★

犬の登録は一生に一度、鑑札をもらったときだけです。ですから、もし引越しや譲渡のために今までと違う市町村に住むことになった場合は、今までの市町村の鑑札を新しい所在地の鑑札と交換しなければなりません。引越しをしたときには自分の住所だけでなくワンちゃんの住所も忘れずに手続きをしてあげてください。この場合、新たな登録手数料はかかりません。

また、ワンちゃんの名前や住所、電話番号などの登録情報に変更があった場合や飼い主さんが変わった場合、ワンちゃんが亡くなってしまった場合にも届出は必要です。各市町村の役場、保健所、動物管理センターに届出をしましょう。


狂犬病がどのような病気なのか、狂犬病予防接種がなぜ大切なのか、分かっていただけたでしょうか?必要以上に怖がる必要もありませんが、皆が協力して予防を行なわなければいけない病気であることをワンちゃんを飼っていらっしゃる飼い主さん一人一人が実感してもらえたら、と思います。


日本において、犬での発生は57年間確認されていません。
しかし、52年間空けても発生する現状。
また、日本の周辺地域には非清浄国が多いという事実。

厚労省は国民の安全を守るために
農水省は動物を通じて国民の安全を守るために
飼い主はペットを守るために。。。出来ていますでしょうか。

編集者:福嶋

【参考資料】
農林水産省狂犬病ページ
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/eisei/rabies/
厚生労働省狂犬病ページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html

狂犬病清浄国(農林水産省HPより)
狂犬病発生状況(厚生労働省HPより)

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