ペット産業・市場ニュース » 特集記事一覧 » 特集:注目ビジネス「犬の幼稚園」の未来予想図とは

特集

公認訓練士としてペットを熟知するプロの「しつけ教室」とは全く異なる新しい取り組み
鳴海 治(なるみ おさむ)

家庭犬トレーニングインストラクター
社団法人ジャパンケンネルクラブ 公認訓練士
社団法人日本警察犬協会 公認訓練士
株式会社フロムパピー 取締役

代表著作・活動:
NHK教育 「趣味悠々 犬と暮らしを楽しもう」DVD&テキスト
芸文社「犬の本音がもっとわかる!
学習研究社 「うちの犬(コ)と遊んでしつけトレーニング
他多数

鳴海治公式ホームページ
http://www.narumi-ice.com/

家庭犬トレーニングインストラクター。犬のしつけ教室を通じて、年間10,000人のペットオーナー、3,000頭を越す犬達と交流を続け、今年で10年となる。
「より快適に、もっと楽しく、犬と暮らそう」をモットーに最適なトレーニング方法を提供する。

テレビ番組や雑誌などでも活躍し、「NHK趣味悠々〜犬と暮らしを楽しもう」にレギュラー出演。DVD化もされている。

最新の活動として、犬の学園「PAPPYNAようちえん」の園長として、開園に向けた準備に奔走している。

生田目 康道(なまため やすみち)
(株)JPR代表取締役

日本大学 獣医学科卒業。 
獣医師・中小企業診断士の両眼で、ペットビジネスをトータルサポートする。コンサルティングをはじめ、動物病院経営事業・市場リサーチ・マーケティングサポート・事業開発サポートを行う。

新規事業「犬の幼稚園教育」

JPR代表 生田目康道(以下生田目):家庭犬のトレーニングインストラクターとしてご活躍の鳴海先生が、この度新規に事業を始められるとお聞きしたのですが、どんな事業をされるのですか?

株式会社フロムパピー取締役 鳴海 治(以下鳴海):「犬の幼稚園教育」ですね。これを事業化しようと今まさに準備しているところで、その事業会社として「株式会社フロムパピー」を設立しました。その1号の幼稚園として、東京の江東区南砂に犬の学園「PAPPYNAようちえん」を6月からオープンさせます。

なぜ今犬の幼稚園が求められるのか?

生田目: 鳴海先生は、今でも家庭犬トレーニングインストラクターとして、しつけ教室をやってこられたのに、なぜ新しく犬の幼稚園を始められるのですか?

鳴海:しつけ教室を通して、飼い主さんが望んでいること、困っていることを一緒に解決するための教育をこれまでも行ってきました。でも、どうしても仔犬の頃に刷り込まれた部分、これによってやっぱり教育に限界が出てくるんですよね。 その限界を取り除きたい、と思うとやっぱり早期教育なんですよね。犬は丸1年で人間の17〜8歳の頭の固さになるといわれています。

生後3〜4ヶ月の段階から始めないと心の窓が閉じちゃうんですよ。できることの限界が多くでてきちゃうんです。だから心の窓が閉じる前に、その窓が開いたままでいられる心のワクチン教育が必要なんですね。ですから、入園資格を生後4ヵ月までの子にしぼっているんです。

教育の方針は「happyなpappy」。様々なことを「受け入れる」素養を犬が楽しみながら「○○したい」という気持ちづくりをすることで、身につくと考えています。犬同士遊びながら、時にはケンカしながら、犬同士でのルールも覚え、対応の仕方を学ばせていきます。教え込むと言うよりは、仔犬の頃にしっかりとした対応がとれる素養を身につけさせる教え方、ストレスを与えないように守るのではなく、ストレスに対する免疫力をもてるような子を育てていく。これを実践していきます。もちろん飼い主さんも一緒に学んでく場面も出てきます。

ノウハウとしては、イルカのトレーニングの中にメディカルトレーニングというのがあって、その中のハズバンダリートレーニングを応用しています。 幼稚園の先生たちは研修で沖縄に行き、イルカのトレーナーさんからその講習を受けています。 特に、日本は、室内犬・小型犬が多かったり、日本独自の住宅事情やライフスタイルがあり、それに合わせたトレーニング方法も必要となってきますので、引き続き開発していきたいと思っています。

飼い主さんが主体的に取り組むためのしくみ作りとは?

生田目:飼い主さんとの連携も重要ですね。

鳴海:もちろんです。現在のところ飼い主さんと仔犬が一緒に行うプログラムも予定しています。飼い主さんが興味を持って仔犬の教育に向き合えるということが大切ですから。

僕が考えている幼稚園の意義は、子育て感覚で「犬同士でなければ学べない事」、「飼い主でなければ教えられない事」、「犬の心理を知るプロでなければ教えられない事」をご家庭と一緒に育む「子育てパートナー」であることです。

僕自身犬のしつけ教室の先生の立場だけでなく、ペットショップの店長の経験からも販売後のアフターフォローが、もっともっと確立される必要があることを感じていました。
飼い主様達にも《癒されるだけ》の目的ではなく周囲に迷惑をかけてしまうこと、諦めてしまいがちなことも問題意識を共有し、犬の心をみることで、楽しさを共感することが愛犬の可能性をもっともっと伸ばしてあげられる。「ブームではなく文化に」を目指し、また同じ夢を持つ仲間が集結し、誕生しました。

個人事業形態ではなく、法人による運営形態を選んだのも、幼稚園の運営を通じ教育する側の人財を育成し、それにより世の中に犬の幼稚園そのものを増やしていこうと思っているからなんです。ビジネスとして成り立つ、ある程度成功した形にしないと、人財も育てられないし、世の中でサービスとして広く受け入れていってもらえないからです。 注目してもらって、この良さがわかってもらえて、それこそペットショップの中にこれがサービスとして必ず併設されていけばいいですね。

社会に与える影響力

生田目:幼稚園の規模と内容はどのようになるでしょうか?

鳴海:5月の中旬にはプレオープン、そこから入園募集を始めます。グランドオープンは6月の頭を予定しています。先生は、私も含め6人を予定していて、最初の1ヶ月は10頭ぐらいから始められればと思っています。まずは3ヶ月間のプログラムからスタートしていきます。

犬達が社会の一員として認められるためには、やはり幼稚園教育が必要だと思います。内閣府の調べでは、動物嫌いの人が約3割もいるそうです。僕のこの事業で少しでも社会の中で犬と人間が共存できるよう、そんな理想の実現に向けて現場から踏み出していこうと思っています。ぜひ、応援して下さい。

お忙しい中、ありがとうございました。