ペット産業・市場ニュース » 特集記事一覧 » 特集:ペット関連法制度、まだまだ存在する諸問題を浚う!

特集

今やペット関連法制度環境の変化はペットビジネスにも大きな変化をもたらします。関連法制度の遵守は不可欠の事ですが、ペット関連法制度は不変のものごとでは決してありません。ペット産業・市場の拡大発展、成熟化に伴い、古く、実態に合っていないものは、制度化されたり、改正されたりしていくことは当然のことです。ペット関連法制度は、まだまだ制度化・改正されていかなければならないとすれば、それはどういうポイントなのか知っておくことは、将来のビジネストレンドを予測するために必須です。

そのために、今回の特集は、ペットビジネスのコンサルティング会社であるJPR社とペット関連の法制度に詳しい動物法務協議会の代表者とで座談会を行ない、ペット関連法制度にまだまだ存在する諸問題をひと浚する議論を行いました。その内容は、動物愛護管理法から動物医療分野、ペットフードの安全性など多岐に亘っており、連載で順次ご紹介します。

日時:2007年10月6日(土)16時〜18時
場所:デスカット東京日本ビル店会議室

伊藤  浩(いとう ひろし)

行政書士 伊藤浩行政書士事務所所長 動物法務協議会代表
動物法務協議会の詳細はこちら:
http://animallaw.at.infoseek.co.jp/

伊藤浩行政書士事務所はこちら:
http://www.itoh-office.jp/

井田竜馬(いだ りょうま)

行政書士 井田竜馬行政書士事務所所長 動物法務協議会関西支部長
井田竜馬行政書士事務所こちら:
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ryoma/

生田目康道(なまため やすみち)

株式会社JPR代表取締役社長

服部憲一 (はっとり けんいち)

株式会社JPR取締役

その2 改正動物愛護管理法でまだ積み残されている課題とは?

生田目:今回の改正でもまだ積み残され、課題になっている問題がありますよね。
すぐ、思い浮かぶ問題として、生体販売の幼齢制限の幼齢っていつまでと言うことなんですが、これはどんな議論なんですか?

服部:議論の焦点は、愛護の観点から、少なくとも生まれて8週齢までは売っちゃいけないという意見と売る側からは離乳したら45日ぐらいで売らしてくれという意見の対立だと思うんですが、少なくとも8週齢必要という立場は、離乳してすぐでは社会化や発育の問題がクリアされず身心供に健康な子とは言いがたいというもので、一方、離乳したら売らしてくれと言う立場は、期間が長くなると飼育コストがかる、元々離乳して親から引き離してもショップに持ってきて陳列している間にすぐ1週間や2週間たってしまう、実際売れるまでに6週間から10週間までかかっているのだから明確な制限を引きにくいというものです。

種別差や個体差があり、幼齢時の10日間の差は大きいと言うことはそうなんですが、でも、何らかの期日制限は必要と双方言ってはいるんですが、いつまでと明確に議論を定めることが相変わらず難しい状況です。

伊藤:今回の改正でも、最初は環境省は8週齢の制限を導入すると言っていたんですが、議論してくと、8週齢自体に明確に当てはまる科学的根拠がなく、最後はショップ側に、できないのに厳しくするとかえってごまかしや違法がでると押し返されて、環境省は腰砕けになっちゃって、積み残しになったのですが、でもどっかで線を引いて、やらないといけないと思います。

 

井田:本当は飼い主の意識が変わらないと、どうしようもないと思うんですが、ちっちゃいのが可愛いのが欲しいのでお店の方も仕入れざる負えないし、私も動物飼っているのでわかるんですが、種別差や個体差があり、幼齢時の10日間の差は大きいと言うことはそうなんですが、逆に言えばどこって線引きも難しい。販売側は売れる時に売ってしまいたいといのもわかるんですけど。

伊藤:なんらかのガイドライン、基準を示しておかないと、対外国の観点でも勝手に日本は幼齢販売をボンボンやっているとの印象を持たれる懸念があります。6週でも8週でも、具体的に線を引いて、一回キチンとやって、それから検証して見直すなら見直したほうがよいと思います。

井田:そうですね。今のガイドラインだと、お店の人の判断でなんとでも決められる、離乳をむりやり早めることも実際やろうと思えば可能ですし。確かに、あいまいなままでは良くないんで、規制でなくても、最低限何らかの明確なガイドラインは示す必要がありますね。

生田目:次に、生体の移動販売やインターネット販売の問題ですが、これはどうでしょうか?どういう問題が多いからこれって問題になるんですか?

井田:犬とか猫をぬいぐるみ人形扱いしている人が多いからだと思うんですよね。特に初めて飼う人は犬の社会化の意味を理解してないので、社会化してない犬を、よく確かめもしないで、事前説明もろくになく買うと、自分でしつけられずに、買ってから後で違うとなり、途中で捨ててしまうことなりがちです。幼齢販売も多いし、運送途中の扱いも悪くて、弱ったり死んでしまうケースもあります。
業者が出してる情報が正しいかどうかわからないですよね。子犬の頃の写真で売ってて、実際来たらでかくなってて、その犬なんでしょうけど、子犬が欲しかったのに、イメージが違うってトラブルになったケースはよくありますよね。基本的には、犬猫のネットでの売買はショップでの売買以上に慎重になるべきだと思います。

服部:個人でやってるブリーダーさんはなかなか宣伝の場がないので、ある程度ネットの力を借りるのは必要だと思うんですけど、純粋な宣伝やインターネットで取引を照会することは、悪いことだとは思いませんが、取引成立前に実物を直接目視で確認することを、法律でキチンと定義やしばりをちゃんと入れてないからだと思うんですよね。

画像でも目視と同じと解釈して、そのままやらしているのは問題だとおもうんですよ。ショップの業界団体も、法律では完全に禁止されてはいないがガイドラインとしては、やらないよう指導してますと言ってるますけど、抑止力になっていないです。

生田目:買う側が、ペットのことをわかっていれば、逆にネットやイベントで買えないし、買わないですよね。本質的には、飼い主側のほうにも問題がありますが、事前説明だったり、知識をもってらしゃる方を介して適正に売り買いするというのが正しいですよね。

伊藤:買う側も相当勉強してないとダメですよね。売る側の事前説明も大事ですけど、飼うレベルにない人もたくさんいて、トラブルの元は飼い主の無知ってケースが実際は多いんです。例えばドイツでは、ブリーダーから直接買うようにしてて、あなたはもう飼ってもいいだろうってことになってから、犬が渡されるってるのもあります。

生田目:次ぎに、今でも年間30万頭以上、安楽殺されている問題ですが、これは法律的にとらえるとどうでしょうか?

服部:やむをえない犬猫の引き取りによる処分を動物愛護管理法で認めてしまっている点が問題だと思うんですね。捨てられて野良犬になるくらいならって言う緊急避難的措置、また狂犬病撲滅に重きを置いていた過去からの産物っていうことは理解できるのですが、時代が変わってますし、動物愛護管理法でもペットは終生飼養を前提としているはずなのに、矛盾してませんか。一時期全国で55万頭も処分されていたのは、これが抜け道的にあるために、安直に飼って、安直に捨てることが横行して、またちっともなくならない。この法律の最大の欠陥ではないかと言いたいのですが。

伊藤:やむをえないケースもあると思うんです。ペットホテル預けて取りに来ないケースも多発していて、ペットホテルには、引き取りに来ない場合、所有権放棄と見做し、処分しますよと明記した誓約書を取っておきなさいとお話しすることもあるんですが、やむをえない引き取りがダメだと言ってしまうと業者にしわ寄せがきて、もっと困ることになる場合も想定されます。

服部:でも、それは問題が違うと思うんですよ。それは、飼い主の飼養管理義務の放棄ですから、飼い主探し出して、処罰の対象ですよね。勝手に捨てる飼い主を突き止めて処罰を徹底するか、個体の識別措置や登録を義務化させて防ぐべきと思います。また、やむをえないの事情の定義をしっかり作るべきですよね。いまのままだと、気に入らないから捨てるっていう飼い主のわがまままで正当化してしまっていますよね。

井田:保健所などに持ち込まれた方が、まだ少しでも譲渡に回せる可能性があるので、厳しくすると山なんかに捨てられたりしてノラ化する犬や猫を増やしてしまう結果になりますし、何よりも飼い主の責任を放棄しています。そう考えると保健所とか受け皿があって引き取ってもらったほうがまだよいのかな思っています。譲渡の数はまだ全体から見ると少ないんですが。

伊藤:やむをえない引取りの制限は、先ほど言ったように、放置された生体が業者にしわ寄せがいってしまう問題とか、もっとひどい捨て方になり、譲渡事業やシェルター事業でも救済できない問題を生んだりします。その辺の対処策までセットでそろえないと、なかなかこの問題も手が付けられない、難しい問題でもあります。

生田目:動物愛護管理法の課題で、ペット関連資格の問題がありますが、登録の状況の場面での動物取扱責任者にどの資格が該当するかのトラブルでも既に話がでていましたけど、ペット関連資格の適格性の制度化ってできないんですか?どうしたらいいと思いますか?

伊藤:それこそ、極力国家資格に引き上げるなり、するしかないですよね。

井田:国家資格である獣医師を細分化するか、例えばある厳格な試験するか、一定期間養成する学校へ行くかしかないと思うんですが。

服部:国による資格の登録制にした方がいいんじゃないですか。民間資格でも、国に登録申請して、少なくとも動物取扱責任者に該当することのお墨付きをもらうくらいのことは必要ではないかと思うんですけど。民間資格でも、動物取扱責任者の資格になっているのなら、お金かけて勉強して試験受かって、とても安心ですよね。それなら、少なくとも怪しい資格ではないと言えますよね。

生田目:少なくとも動物看護師は、動物取扱責任者の資格にする必要ありますよね。

お忙しい中、ありがとうございました。

【前回掲載タイトル】

■その1 改正動物愛護管理法 届出から登録制への実効は?

【次回の連載予定】

■その2 改正動物愛護管理法でまだ積み残されている課題とは?
■その3 動物医療分野では法制度にどんな問題があるのか?
■その4 その他、ペット関連事業をめぐる法制度と諸問題

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