ロイヤルカナン ジャポン 猫シェルター向けに衛生管理のセミナーを実施

2019/08/07

栄養学に基づいた犬と猫のプレミアムペットフードおよび食事療法食を展開するロイヤルカナン ジャポン(本社:東京都港区、社長:山本 俊之)が、猫の保護施設(シェルター)を対象にした、衛生管理や栄養管理に関するセミナーを実施しました。今年で4年目を迎える本セミナーは、7月21日(日)の大阪会場には56名、7月28日(日)の東京会場には過去最多の107名が来場しました。

シェルターは、家庭での飼育に比べ、集団飼育ゆえに感染症にかかるリスクが高く、衛生管理が大きな課題となっています。本セミナーでは、国内外でのシェルター事情に詳しい帝京科学大学アニマルサイエンス学科准教授の山本和弘先生(獣医学博士)が「アニマルシェルターの感染症対策」について、また、ロイヤルカナンの獣医師の齊藤千絵がシェルターでの猫の食事管理や療法食について解説しました。

講演内容

■山本先生講演内容

山本先生による講演では、先進事例としてドイツやイギリスのシェルターの取組みを紹介しながら、集団飼育の施設における感染症対策として、病原菌を「付けない(持ち込まない)」、「増やさない」、「やっつける」の3つの観点から、施設のゾーニング(区域分け)の徹底や、限られた設備で可能な感染した猫の隔離方法、排泄から24時間以内にトイレを片付ける、使い捨て手袋を使うといった具体的な対策について説明されました。
また、アニマルシェルターの運営における、保護から、検疫、回復、維持・馴化、里親への譲渡までの各ステップのなかで注意すべきチェックポイントについて、解説がありました。
さらに、限定された地域で一定期間に疾病が予想以上の頻度で発生する「アウトブレイク」について、日本のシェルターで実際に起こったパルボウイルスの事例をもとに、隔離や消毒といったコントロール方法やワクチンによる予防の重要性についても,「シェルターは、人や動物の出入りが激しく、『クロスコンタミネーション(交差汚染)』のリスクが高い。不明な場合は(その動物が)病原菌を持っているという前提で対応することが重要」と山本先生はコメントしています。

■ロイヤルカナン 斎藤千絵獣医師 講演内容

続いて、ロイヤルカナンの獣医師の齊藤千絵より、シェルターでの猫の食事管理についての講演がありました。猫の体重を定期的に量り、1週間で2%以上減っていたら速やかに動物病院を受診したほうがよいこと、また、3~5日間以上(個体差有り)絶食すると、エネルギーを作るために脂肪が急激に肝臓に溜め込まれ、命を落とすこともある深刻な病気、「肝リピドーシス」を発症する危険性があることなどを説明しました。

猫がごはんを食べてくれないケースは珍しくないため、その予防として、(1)ストレスを与えないこと、(2)不快な経験と関連して記憶した食物は避けるようになる(食物嫌悪症)などの猫の食性を理解することや、(3)猫のハンターとしての本能的な欲求を満たすためペットボトルや製氷皿などの手作りおもちゃなどを利用しながらフードが食べられるような工夫をするといった提案がなされました。
また食べない場合の対策としては、(1)嗜好性が高く、消化に配慮した高カロリー食などを利用すること、(2)フードを人肌程度に温めることや、(3)食器の素材や配置を見直すことなどが紹介されました。
さらに、猫に多い下部尿路疾患の症状、特に多頭飼育環境の猫に多い「特発性膀胱炎」の予防として、尿を薄めるために有効なウェットフードの活用や水を飲んでもらうための工夫、おしっこを我慢させないためのトイレ環境についても説明しています。


セミナー会場では、室内のアンモニア濃度を測定する検知管の体験ブースも設けられ、参加者たちが気体採取機を手にとって担当者から使用方法を学ぶ機会もありました。
また、ロイヤルカナンでは、今回、猫のシェルター運営者に感染症と衛生・栄養管理について参照してもらう資料として「保護施設にやってきた猫が健康に過ごすためのガイドライン」を制作し、セミナー参加者に配布しました。
これまで、日本のシェルター事情に適した衛生・栄養管理に関する体系だった資料がほとんどなかったため、国内外のさまざまなガイドライン、法令、論文を参照し、今回のセミナー講師である山本先生をはじめとする専門家による審議を経て、完成したものです。シェルターの衛生・栄養管理レベルを確認するチェックシートもついており、改善に利用していただくことが可能です。

講師紹介

【講師略歴】

山本 和弘 博士

帝京科学大学アニマルサイエンス学科准教授
1991年より日本獣医生命科学大学 獣医学科 公衆衛生学教室にて助手を務めたのち、カリフォルニア大学デイビス校にて獣医予防医学修士を取得。同大学にて獣医博士課程を卒業後、研究員として勤務。その後、国際NGO、Japan International Food for the Hungry奉職、大阪府八尾市の西村動物病院にて7年間勤務ののち、2017年4月より現職。


獣医師 齊藤 千絵

ロイヤルカナン ジャポン合同会社 サイエンティフィック コミュニケーション
日本獣医生命科学大学 獣医学部 卒業後、都内の動物病院にて獣医師としての勤務を経て、ロイヤルカナン ジャポンの学術担当として9年間勤務。アメリカ、フランス、ニュージーランドの獣医栄養学専門医のもとで、獣医臨床栄養学の短期研修終了。

画像:山本 和弘 博士

画像:齊藤獣医師

ロイヤルカナンについて

ロイヤルカナンは、50年以上にわたり、犬と猫に真の健康を提供することに尽力しています。1968年、フランス人獣医師ジャン カタリーにより創設されて以来、世界中の栄養学者、ブリーダー、獣医師と協働・連携を行ってきました。ペットの専門家との連携を通して栄養学と知識の限界を押し広げることにより、個々の犬と猫に健康で幸せな生活をもたらすことが、私たちの使命です。ロイヤルカナン独自のアプロ-チで、常に犬と猫の栄養ニーズをイノベーション・プロセスの中心に置いています。
個々の犬と猫特定のニーズに応える特定の食事を生産するために、年齢、ライフスタイル、身体のサイズ、品種、活動レベルについて、科学に基づいた観察を行っています。ひとつひとつにきめ細かくこだわり、栄養学に基づいてつくられた製品は、世界中のペットショップや動物病院でご購入いただけます。南フランス・エマルグを拠点に、100カ国の市場で展開するロイヤルカナン。世界中で7,000名を超えるスタッフが、日々、犬と猫のことを第一に考えています。
ロイヤルカナンに関する詳細は、https://www.royalcanin.co.jp/

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