認定NPO法人シャイン・オン・キッズは、ファシリティドッグを4病院に導入

2021/06/28

11年の運営実績をもつ認定NPO法人シャイン・オン・キッズ(東京都中央区日本橋、理事長 キンバリ・フォーサイス)は2019年度よりファシリティドッグ国内育成事業に着手。新たに2組のファシリティドッグ・チームを誕生させました。これまで、ファシリティドッグ・プログラムを国内3病院に導入してきましたが、今回の新チームが加わり、ファシリティドッグ導入病院は4病院となりました。

▼ファシリティドッグ・プログラムの詳細はこちら
https://ja.sokids.org/programs/facility-dog/

ファシリティドッグとは

ファシリティドッグとは、こども病院などの特定の施設に所属し、スタッフの一員として活動する犬のことです。また、小児がんなど重い病気で入院する患者の治療を支えるために、犬を扱う専門職として“ハンドラー”という看護師がいます。

シャイン・オン・キッズでは、ハンドラーの研修を修了した看護師を、ファシリティドッグとペアで病院に派遣する事業を展開しています。
小児がんをはじめとした重い病気がある子どもたちの治療には、身体的にも精神的にも負担がかかる検査や処置を必要とします。また長期に入院生活を送っている子どもが少なくなく、子どもたちと家族のサポートには、感染対策のみならず、高度な専門性が、ファシリティドッグとハンドラー双方に求められます。

<ハンドラー研修について>
アシスタンス・ドッグス・インターナショナル(ADI)の標準カリキュラムに沿って、1ヶ月に渡り約80時間の過程(実技、座学、テスト、他)を実施しました。本カリキュラムは、ボニー・バーゲン博士が作成し、歴20年のハンドラー育成実績のあるアシスタンス・ドッグズ・ハワイをはじめ、各国の補助犬育成団体で教材として活用されています。犬のハンドリング技術指導は全て、ADI認証を持つ補助犬育成団体での実務経験を持つ、専属ドッグトレーナーであるマリーナ・ロドリゲス氏が務め、通訳は鈴木弥生氏が担当しました。

【教材】Assistance Dogs of Hawaii “BASICS & ABC’s of the Smartest Dog Training”
(翻訳 鈴木弥生、監訳 村田夏子)、独自教材
【講師】マリーナ・ロドリゲス、ケイト・ドール、鈴木弥生(通訳)森田優子、鈴木恵子、大橋真友子、村田夏子


▼研修の様子

ケイト・ドール氏が座学講師を務めた様子。仔犬が生後わずか5.5週齢でも SIT(お座り) を学べるなど、実際の動画やエビデンスを交えながら、犬の発達・行動学をわかりやすく解説。

国立成育医療研究センター内「もみじの家」で会議室とベッドを借用し、実地研修を行う様子。犬のハンドリング技術指導をマリーナ・ロドリゲス氏が、医療職指導を森田が務める様子。通訳の鈴木弥生氏を患者役に、また犬の負荷を軽減するためにぬいぐるみを代用してロールプレイ。

適性審査

ハンドラーの適性審査は従来通り、アシスタンス・ドッグス・オブ・ハワイの方法に準じて行った。ファシリティドッグの適性審査については、トライアル事業として初の取り組みであることから、客観性担保のためアドバイザリーボードの山本真理子氏(Ph.D.、帝京科学大学アニマルサイエンス学科 講師)にも評価を依頼しました。

<ファシリティドッグの適性試験>
【方法】Assistance Dogs International “Public Access Test”
【評価】
・森田優子(プログラム・リーダー、ハンドラー)
・山本真理子(アドバイザリー・ボードメンバー、介在動物学Ph.D.)

<ハンドラーの適性試験>
【方法】Assistance Dogs of Hawaii ”Working Final Exam – HOSPITAL FACILITY DOG”
【評価】
・国立成育医療研究センター分 森田優子(プログラム・リーダー、ハンドラー)
・静岡県立こども病院分    鈴木恵子(ハンドラー)
・マリーナ・ロドリゲス(専属ドッグトレーナー)

▼適性審査の様子

静岡県立こども病院内でのパブリックアクセステスト(公共の場に同伴するためのテスト)。ロドリゲス氏の指示下で実施し、森田(左)が採点している様子。ファシリティドッグが、様々な医療機器が往来する廊下でもコントロールされた状態が保てるか、など14項目を評価。

静岡県立こども病院内でハンドラーの適性試験を行う様子。病棟入る前の清拭手順、安全に配慮した歩行、患者対応は適切か、など約30項目を評価。

法人概要

法人名:特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズ
所在地:〒103-0023 東京都中央区日本橋本町3-3-6 ワカ末ビル 7階
TEL:03-6202-7262
HP▶ https://ja.sokids.org/

■■ 本事業の支援 ■■
◎「歯の妖精TOOTH FAIRY(トゥースフェアリー)」プロジェクト
公益社団法人日本歯科医師会協力のもと、日本財団が進める社会貢献プロジェクトです。歯科医院で治療上撤去した冠(かんむり)などの金属が寄付され、リサイクルした資金で国内外で難病や貧困と闘う子どもたちの支援に活用しています。寄付による支援に加え、障害や難病のある子どもたちに対し、ボランティア歯科医師による口腔ケアの啓発活動も行っています。
シャイン・オン・キッズは2015年度より計6ヵ年に渡って継続的な支援を受け、ファシリティドッグ・プログラムの新規病院導入・普及啓発に活用しています。

◎公益財団法人森村豊明会 公益事業
大正3(1914)年に財団法人としての認可を受け、日本における民間助成財団の草分けとして設立・登記されました。実際の活動は明治34(1901)年まで遡ります。1世紀あまりにわたり教育・医療・社会福祉など多方面への継続的な助成を行っています。
シャイン・オン・キッズは今年度の静岡県立こども病院の後任チーム導入にあたり、支援を受けました。

◎YOKOHAMAまごころ基金
横浜ゴム株式会社と従業員の方々による社会貢献基金です。寄付を希望する従業員が会員となり、集まった資金を環境保全や人権擁護などに取り組むNPO、NGOなどへの資金援助や重大な災害への義援金として拠出することを目的に2016年5月に設立されました。
シャイン・オン・キッズは2019年度より支援を受けており、今年度は静岡県立こども病院のファシリティドッグ・チーム引継ぎに必要な費用の一部の支援を受けました。

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