DSファーマアニマルヘルス、 世界初の犬(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞注射液 製造販売承認申請

2019/06/19

DSファーマアニマルヘルス株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:中島 毅)が、犬の椎間板ヘルニアに伴う臨床徴候の改善を対象とした、動物用再生医療等製品※1(動物体性幹細胞加工製品※2)(以下、「動物用細胞製剤」)である犬(同種※3)脂肪組織由来間葉系幹細胞※4注射液「開発番号:A-110」(以下、「本製剤」)の製造販売承認申請を6月14日に行いました。犬(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞を主成分とする動物用細胞製剤の製造販売承認申請は、本製剤が世界初※5です。

詳細

同社は、獣医療向けに動物用細胞製剤を提供するために、2015年より実用化の検討を開始し、2016年には池田動物細胞医薬センター(大阪府池田市)を開設するなど、安全・高品質な動物用細胞製剤の研究、開発、製造を一貫して実施できる体制を構築しました。さらに同センターで製造した本製剤の治験などを進め、製造販売承認申請書を農林水産省へ提出しました。

犬の椎間板ヘルニアは、外傷や加齢、遺伝的な原因によって椎間板が逸脱して脊髄を圧迫することで発症します。特に、胸腰部のヘルニアでは後肢の麻痺による歩行困難や排泄に支障が出るため、罹患した犬はもとより、飼い主のQOL(生活の質)をも低下させます。また、病状の重篤度に従い、外科的処置や保存療法が実施されますが、回復が期待できない場合もあり、新たな治療方法の開発が強く望まれてきました。

獣医療では、獣医師が自らの施設内で間葉系幹細胞を培養・調製して動物に投与する細胞治療が行われています。しかしながら、特殊な機器や細胞を取り扱う高度な培養技術が必要なため、実施できる動物病院は限られています。

同社は、椎間板ヘルニアに罹患した犬に対して、GMP管理の下で製造された、高品質で直ちに利用できる本製剤を提供することで、新たな治療選択肢を加えられるよう、引き続き製造販売承認取得に向けて尽力していくとのことです。

【語句説明】

※1 動物用再生医療等製品
再生医療等製品のうち専ら動物にのみ使用されるものです。

※2 動物体性幹細胞加工製品
「動物の身体の構造または機能の再建、修復または形成」や「動物の疾病の治療または予防」のために動物の細胞に培養その他の加工を施したものが動物細胞加工製品です。その中で、当社の製品は間葉系幹細胞を含有するため、動物体性幹細胞加工製品に分類されます。

※3 同種
同じ種類(犬)のものですが、自己のものではないことを意味します。

※4 間葉系幹細胞
生体の様々な組織に存在し、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞、筋細胞などになる能力を持っている細胞です。この細胞には、傷害を受けた組織を修復する機能や、免疫の調節機能(過剰な炎症反応を抑える)などがあることが報告されています。

※5 世界初
犬(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞を主成分とする動物用再生医療等製品として世界初の申請です。2019年6月14日現在、DSファーマアニマルヘルス社調べ。

DSファーマアニマルヘルス株式会社について

DSファーマアニマルヘルスは、動物たちの健康を支えることで、人々の笑顔あふれる暮らしに貢献する企業として、2010年7月に大日本住友製薬株式会社の事業部門から分社化し、設立された研究開発型の動物用医薬品等の製造販売会社です。70余年に及ぶ動物薬事業を通じて培った経験と実績を基礎に、人と動物の絆を支える「コンパニオンアニマル事業」、人々の豊かな生活を支える「畜水産事業」、確定診断に必要不可欠な「臨床検査事業」を展開しています。

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